『Mittyの音楽室』へお越しいただきありがとうございます。
このブログは、私が物心ついた頃から耳にしてきた洋楽・邦楽のポピュラー音楽について、当時の思い出を交えながらエッセイ仕立てで書いていくものです。

私はジャズシンガー活動を本格的に始める少し前から、某バンドメンバー募集サイト(以下「メンボサイト」)でお声をかけていただいたEric Claptonトリビュートバンドでコーラスを担当している。ありがたいことに『Wonderful Tonight』など、曲によってはたまにメインボーカルも取らせて頂いている。

コーラスは私の他にもう一人女性がいて、彼女も同じメンボサイトを経由してほぼ同時期に加入した。彼女は以前から在籍しているバンドでBlack Sabbathなどの曲をエレキギターを弾きながらメインで歌うようなバリバリのロッカーである。見た目は細身の長身美人なのだが、超お酒好きで一緒に飲みに行けばホッピーの「中」を何度もおかわりするなかなかファンキーなキャラクター。お父様が北海道のご出身という点でも私と話が合ったのだが、それ以上に彼女は根っからのLed Zeppelinファンなのだ。

その彼女に誘われて、3月初めにZEP道楽というZeppelinトリビュートバンドのライブに行ってきた。場所は吉祥寺。

会場はソーシャルディスタンス基準でほぼ満席、客席の7割程度は女性だったと思う。まあ私たちと同世代が大半だったが、ロリータファッションの若い子が一人いたのが印象的だった。そして、一曲目が始まるとともに全員総立ちなどという若いアーティストのライブでは当たり前の光景がなかったのは非常にありがたかった

相方によると、彼らのライブはいつも7割がたは『天国への階段』など必ず演奏する定番曲で、残りが入れ替わる多少マイナーな曲とのこと。私の好きな『The Rover』や『Since I’ve Been Loving You』を最初の方で演ってくれたのは嬉しかったな。

ヴォーカルのロバートならぬ「ロベルト」さんは、左手の手のひらを上に向けて歌うしぐさなどがRobert Plantそのものだった。30年間ロバート役を務めているそうで、てっきり40代と思っていたら意外や意外、還暦近いという話。声が高いのと、あのヘアスタイルと、整ったお顔立ちが『大都会』のクリスタルキングも彷彿とさせた。

ドラマーさんもボンゾばりの重厚なドラムだったし、ギタリストさんはJimmy Pageがやるようにバイオリンの弓でエレキギター弾いてくれたし、John Paul Jones役の人はキーボードのときは足でベース音を鳴らす曲芸をやってのけて、世のおやじバンドもかなりレベル高いなと思った次第。しかし「おやじバンド」と言うとどうしても『渡る世間は鬼ばかり』の角野卓造や山本コータロー、天童よしみなどのイメージが強すぎるな。ZEP道楽さん、ごめんなさい。リピーターになりますから許して。

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ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

佐々木美智代
(ジャズシンガー、草の根音楽評論家)

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