久しぶりにブログに投稿。どうやら2023年になってから一度も書いていなかったみたい。あと6つ寝るとお正月なのに。

もう10日も前のことだが、Patti Austinのライブを聴きにBlue Note TOKYOへ行ってきた。歌の活動となりわい(英語関連の仕事)で日々忙しく過ごしているので来日公演があるとは知らなかったのだが、公演の1週間ほど前にFacebookの広告が流れてきた。おそらく、私がパティの動画を自分の投稿で数回引用しているのでAIがお勧めしてきたのだろう。

日曜日の昼公演を選んだ。オーディエンスは私とほぼ同世代で男女半々ぐらい。

オープニングはなんと、The Brothers Johnsonの”Stomp!”だった。それからメドレーで1980年前後のディスコミュージックが続く。私は聴くことに集中したかったのでメモは一切取らなかったから曲名はご勘弁を。彼女の昔からのイメージは、ふくよかな体格を活かした深みのある声を持つ実力派シンガーだが、今はかなりお痩せになり、髪型もアフロではなく金髪ストレートになっていた。痩せても、そして年齢を重ねても歌唱力が衰えていないのはさすが。

札幌でChaka KhanとPatti Austinに憧れる青春時代を過ごしていた私。チャカは札幌公演で生の歌を聴いていたが、パティは当時来札はしていなかった。40年の月日を経てまさか東京で彼女の歌を聴けるとは。5年前に病魔に屈していたらこんな日は来なかったのだと思うと涙が出た。

彼女は自分の持ち歌にあまりこだわらず、ミシェル・ルグランの”How Do You Keep The Music Playing”のような映画音楽をしっとりと歌い、ジャズのスタンダードからは”They Can’t Take That Away From Me”(『誰にも奪えぬこの思い』)をファンク調で披露してくれた。マイケルのアルバムに入っている曲も歌っていた気がする。

そしてパティはよく喋る。もちろん英語なのだが、明瞭な聴きやすい発音で話してくれるので7割程度は何を話しているのか理解できた。ちなみに私、仕事で英語ネイティブの話を聴いているときの理解度はせいぜい4割である。なのでテキトーに相槌打つのが苦痛でしかないのだが、パティの話はすんなりと頭に入ってきて面白かった。

Quincy Jonesプロデュースの超名盤でいまだに私の愛聴盤でもある”The Dude”(『愛のコリーダ』)で共にメインボーカルを務めた盟友の故James Ingramとのエピソードをコミカルに語り、二人のデュエット曲で大ヒットした”Baby, Come To Me”も歌ってくれた。私がライブで男性ボーカルとデュエットするなら絶対これと決めている曲である。

パティは芸歴が長いのだが、この日歌ってくれた持ち歌の中の一曲”Say You Love Me”は10代のうちに彼女が書いた曲だと聞いて驚いた。当時のメンター(クインシーのこと?)から「自分で曲を書きなさい」と言われて作ったという。私が今年の9月に日本のレジェンドドラマー大隅寿男さんの札幌2デイズツアーを企画して同行した際に大隅さんが何度も仰っていたのが、「自分のオリジナル曲を残しなさい」という言葉だった。そのことを思い出した。

日本の80年代ディスコブームでのヒット曲”Do You Love Me?”や、テレビ東京系『アド街ック天国』のガールズコレクションでバックに流れるお馴染みの”KISS”は残念ながら歌わなかったのだが、十二分に満足できたライブだった。

アンコールではクリスマスソング2曲を。特に最後の”Have Yourself A Merry Little Christmas”は圧巻だった。本物のPatti Austinにこの歌を歌ってもらえるなんで最高に贅沢なクリスマスだったと言えるだろう。

   佐々木美智代(ジャズシンガー)

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